留学から帰国後、就職活動に苦戦していませんか?
実は、留学経験者の就職活動には特有の「落とし穴」があり、多くの人がつまずいています。
私自身も上海留学から帰国後の就職活動に失敗し、その後転職を経てようやく人事として働けるようになりました。
現在は新卒・既卒採用に携わる中で、留学後の就職で失敗する人のパターンを数多く見てきました。
この記事では、留学後の就職でつまずく人の共通点と、留学中から始められる具体的な対策を、人事目線から正直にお伝えします。
留学後の就職でつまずく人の5つの共通点
留学後の就職活動で失敗する人には、明確な共通点があります。
まず、留学後の就職でつまずく人が多い理由はこちらです。
1. 留学中に就活関連の行動を何もしていない

留学中は勉強や現地での生活に精一杯で、就職のことは「帰国してから考えればいい」と後回しにしてしまうケースです。
語学力向上だけに集中してしまい、その語学力をどう活かすか、どんなキャリアを築きたいかまで考えられていません。
2. 日本の就職市場を知らないまま帰国する

海外にいる間、日本の就職市場の動向や求人状況をチェックしていないため、帰国後に「こんなはずじゃなかった」となります。
- 新卒一括採用のタイミングを逃している
- 既卒として扱われることを知らなかった
- 語学力だけでは評価されないことに気づいていない
このような情報不足が、大きなハンディとなります。
3. 帰国後に就活をスタートし、出遅れる

帰国してから「さあ、就活を始めよう」と動き出すと、すでに数ヶ月のブランクが生まれています。
特に新卒の場合、帰国が大学3年生の10月以降になると、すでに多くの企業で採用活動が終了していることも。
4. ブランクが空いて焦りが出てくる

就活がうまくいかず、帰国後のブランクが3ヶ月、6ヶ月と伸びていくと、焦りが出てきます。
焦って妥協した企業選びをしてしまい、結果的にミスマッチで早期退職につながるケースも少なくありません。
KOKO私は会社を辞めて留学しましたが、帰国後に就活をしてミスマッチで半年も続かず退職しました。
5. 一人で就活し、一人で判断してしまう


留学経験者は独立心が強い傾向がありますが、就活においては「一人で抱え込む」ことがマイナスに働きます。
- 視野が狭くなる
- 誤った判断をしやすい
- 自己評価と市場評価のズレに気づかない
客観的なアドバイスを受けないまま、機会を逃してしまうのです。
なぜ留学経験者の就職は難しいのか
留学経験者の就職が難しい背景には、日本特有の就職システムと、留学経験の評価のされ方があります。
1.日本の新卒一括採用システムとのミスマッチ
日本企業の多くは、大学3年生の夏から冬にかけて採用活動を集中させます。
留学から帰国するタイミングがこの時期とずれると、「新卒」として扱われなくなり、「既卒」扱いになることも。
時期がズレると、新卒に比べて求人数が減り、選考のハードルも上がります。
2.語学力だけでは評価されない現実


「留学経験がある=語学ができる=就職に有利」という期待は、実際には通用しません。
新卒採用で企業が求めているのは
- 留学経験から何を学び、どう活かせるか
- 課題に対してどう考え、どう行動できるのか
中途採用で企業が求めているのは
- 語学力+α(専門性、ビジネススキル)
- 留学経験から何を学び、どう活かせるか
- 即戦力としての実務経験
中途採用は特に、語学力は「あって当然」と見なされ、それ以外の価値を示せないと評価されないのです。
3.自己分析・企業研究の不足
留学中は異文化体験や語学学習に時間を取られ、自己分析や企業研究が後回しになりがちです。
その結果:
- 自分の強み・弱みを言語化できない
- どんな業界・職種が向いているか分からない
- 志望動機が「留学経験を活かしたい」だけになる
面接で説得力のある話ができず、不採用が続いてしまいます。
留学中から始める就職対策5選
留学後の就職を成功させるには、留学中からの準備が不可欠です。
以下、具体的な対策を5つ紹介します。
1. 自己分析を徹底的に行う
自己分析を怠ると会社選びも誤ります。



私自身がまさにそうでした。
自己分析の得意なことを「動詞」で考えられず、不得意な職種についてしまい、短期離職になりました。
短期離職は、30代、40代、ずっと履歴書にその後の転職活動も不利になります。
人事として採用に携わる中で分かったのは、内定が出る人、長く働き続けられる人は、自分の「得意なこと(動詞)」と「苦手なこと(動詞、環境)」を明確に把握しているということです。
具体的な自己分析の方法
- 過去の経験を振り返り、成功体験・失敗体験を書き出す
- なぜそれがうまくいったのか、なぜ失敗したのかを分析
- 自分が自然とやっている「動詞」を見つける(例:調整する、企画する、分析する、サポートするなど)
- 留学を通じて成長した点、変わらなかった点を整理
留学経験者向けの自己分析シートは、私のnoteで無料ダウンロードできますので、ぜひ活用してください。


2.先輩や社会人の話を積極的に聞く
一人で就活をすると、視野が狭くなり誤った選択をしやすくなります。
留学中は、現地で働く日本人や、同じように留学経験のある社会人の話を聞く絶好のチャンスです。
具体的なアクション
- 現地の日本人コミュニティに参加する
- 留学先の学校に相談する
- LinkedInやFacebookで同じ留学先の先輩を探す
- 大学のOB・OG訪問制度を活用する
- 現地で働く社会人にカフェでインタビューさせてもらう
現地は人が横でつながっているので、一人に会えば芋づる式に紹介してもらえます。
聞くべき質問
- どのようにして今の仕事に就いたか
- 留学経験はキャリアにどう活きているか
- 帰国後の就活で苦労したこと
- 今の自分に足りないと思うスキルは何か
視野を広げる行動は「やったもん勝ち」です。どんどん人に会いましょう。
3.現地のインターンシップに参加する
いくら業界分析や自己分析をしても、実際に働いてみないと分からないことがたくさんあります。
現地就職を考えている人はもちろん、帰国後の就職を希望する人も、機会があればインターンシップに参加してください。
インターンシップ経験者と未経験者の差:
新卒の面接をしていて痛感するのが、1ヶ月以上の長期インターン経験者とそうでない人の圧倒的な差です。
差がつくポイント
- 言語化能力 – 自分の経験を分かりやすく説明できる
- 論理的思考 – 結論から話し、端的に伝えられる
- 自信 – 実務経験があるため、自信を持って話せる
- 社会人との対話力 – ビジネスの場での会話に慣れている
たとえ短期間でも、実務経験は面接での説得力を大きく高めます。
インターンの探し方
- 大学のキャリアセンターに相談
- 現地の日系企業に直接問い合わせ
- 留学生向けインターンシップサイトを活用
- LinkedInで「インターン募集」を検索
4. 日本の就職情報を定期的にチェックする
留学中も、日本の就職市場の動向を追い続けることが重要です。
やるべきこと
- 就職情報サイト(リクナビ、マイナビなど)に登録
- 興味のある業界のニュースをチェック
- 新卒スケジュールを把握(エントリー開始時期、選考時期)
- オンライン就活イベントに参加
帰国前から情報を集めておくことで、帰国後すぐに動き出せます。
5.就職・転職エージェントに早めに相談する
エージェントは、留学中でもオンラインで面談してもらえます。
エージェント活用のメリット
- 自分の市場価値を客観的に知れる
- 帰国後のスタートが早くなる
- 非公開求人の情報が得られる
- 履歴書・面接対策のアドバイスがもらえる
エージェントに登録したからといって、必ずそこで就職しなければいけないわけではありません。情報収集のツールとして、気軽に活用しましょう。
重要なポイント:
複数のエージェントに登録することをおすすめします。



私の経験では、リクナビ経由で応募して書類で落ちた企業が、マイナビ経由では書類が通過したことがあります。企業の選考に入る前に、エージェント内で選考されることもあるため、選択肢は多く持っておくべきです。
エージェント例
- 新卒向け:マイナビ新卒、リクナビ
- 既卒・第二新卒向け:マイナビジョブ20’s、ハタラクティブ
- 留学生特化:キャリアフォーラム(ボストンキャリアフォーラムなど)
- 中途向け:JAC recruitment、マイナビ転職、リクナビ転職、Indeed
帰国後すぐに動き出すための準備
留学中に準備をしても、帰国後の行動が遅れると意味がありません。
帰国前にやっておくべきことをチェックリストにしました。
帰国3ヶ月前までにやること
- 自己分析を完了させる
- 履歴書・職務経歴書の下書きを作成
- 就職エージェントに登録し、オンライン面談を済ませる
- 興味のある企業リストを作成(最低20社)
- LinkedInプロフィールを充実させる(特に外資系を目指す場合)
帰国1ヶ月前までにやること
- 帰国後の就活スケジュールを立てる
- OB・OG訪問のアポイントを取る
- 書類選考に必要な証明書類を準備
- 面接用のスーツ・身だしなみを整える(意外と大事)
帰国後すぐにやること
- エージェントと対面面談
- 企業説明会・選考会に参加(新卒の場合はできるだけ多く)
- 応募書類の提出を開始
- 面接対策を本格化(面接を練習用でも複数受ける)
まとめ:留学後の就職成功は「行動量」と「情報量」で決まる
留学後の就職を成功させるかどうかは、行動量と情報量で決まります。
留学中から意識してほしいのは、この2つの行動です:
- 自分を知る行動 – 自己分析、インターン経験、強み・弱みの把握
- 自分以外を知る行動 – 企業研究、業界分析、社会人との対話



私自身、上海留学後の就職活動で大きく失敗しました。
その原因は、留学中に就活の準備を何もせず、帰国後に焦って動き出したことでした。同じ失敗をする留学生を、これ以上増やしたくありません。
現在留学中の方、これから留学する方には、ぜひ早めの準備を始めてください。
留学経験は、正しく活かせば大きな武器になります。
この記事が、あなたの就職活動の成功につながれば嬉しいです。
関連記事:
この記事を書いた人: 上海留学経験者。帰国後の就職活動に失敗するも、転職を経て現在は人事として新卒・既卒採用を担当。若年層のキャリア支援に力を入れている。




コメント